FDIと外国人に対するベトナムにおける土地の賃貸と購入

2023/05/13

(注)以下の情報は、ベトナム計画投資省からの出典である。(出典はこちら

土地使用権、土地使用権証明書、及び土地に定着する住宅その他の財産の証明書(以下、「証明書」という)

1. 証明書とは?

土地の使用権及びその土地に定着する財産(家屋や建物など)の所有権を合法的に証明し、国が発行する文書である。

2. アパートの所有権証明書はどのように発行されるか?

アパートの所有権証明書について

2.1. 投資家は、以下の規定に従って、プロジェクトに含まれる土地面積の証明書を付与されるものとする。

a) 投資家は、アパートと関連インフラ工事(商業工事を含む)を建設するための土地面積に対して、証明書を取得する。この承認は、承認された詳細なマスタープランに基づく。

b) アパートプロジェクトに関連しない道路やその他のインフラに使用される土地面積に対しては、証明書は発行されない。投資家がアパートプロジェクトへのサービス提供のために使用しなく、アパートプロジェクト内外の住民にサービスを提供する施設(以下「エリア1」という)が含まれる。

2.2. アパートの所有者には、アパート所有者全員の共有の土地(以下「エリア2」という)の証明書が発行される。

2.3. 投資家に対する証明書は、エリア 2 に共通のエリア証明書が発行された時点で調整される。

3. ベトナムの外資系企業がどのように土地使用権を取得するか?

外資系企業は、以下の方法で土地使用権を取得できる。

3.1. 土地使用料の徴収と伴い、国から割り当てられる土地

3.2. 国から直接土地を借り、年単位で土地賃貸料を支払う土地や賃貸期間全体に一回土地賃貸料を徴収する土地

3.3. 現行法に従い、許可された地主からの土地賃借または土地転貸

割当土地

4. 外資系企業は、土地使用料の徴収を伴う土地割当の形で、どのような目的で土地を使用できるか?

販売用または販売と賃貸を組み合わせた住宅建設のための投資プロジェクト

 

5. 土地の割当期間はどのくらいか?

期間の決定は、プロジェクトの範囲と期間に基づいて行われる。しかし、50年(特別な場合は70年)を超えないものとする。

期間は、国の決定により延長できるものとする。

土地割当の期間は、国家管轄機関が土地割当の決定を発行する日から起算される。

 

6. 外資系企業の割り当てられる土地に対する権利と義務は?

プロジェクト実施のための土地使用料の徴収で土地を割り当てられる外資系企業は、(土地使用者の一般的な権利と義務に加え)以下の権利と義務を有する。

6.1. 土地使用期間中に、所有する土地使用権及び土地付属資産を譲渡すること

6.2. 土地使用期間中に、所有する土地使用権及び土地付属資産を賃貸すること

6.3. 土地使用期間中に、ベトナムで営業許可を得た金融機関に所有する土地使用権及び土地付属資産を抵当権設定すること

6.4. 土地使用期間中の生産・事業への協力のために、土地使用権及び土地付属資産で資本を拠出する。

上記の権利は、外資系企業が土地使用料の免除・減免を受けることができる場合にも適用される。

土地の賃貸

7. 外資系企業が土地をできるのは、どのようなプロジェクトか?

外資系企業は、国から直接土地を借り、年単位で土地賃貸料を支払う土地や賃貸期間全体に一回土地賃貸料を徴収す土地を賃貸できる。

外資系企業は、法律に従い、以下のような許可された投資家から土地を賃借・転貸できる。

7.1. 以下のような組織

a) 国から割り当てられた土地の土地使用料の徴収を伴い、賃貸期間全体に一回土地賃貸料を徴収する土地を賃借する経済組織

b) 自己資金で運営の公的な組織が、国から賃貸期間全体に一回土地賃貸料で賃借し、支払われる賃貸料が国家予算から由来しないもの

c) 国から単位で土地賃貸料を支払う経済組織または自己資金で運営の公的な組織

d) 農業用地使用権を含む土地使用権の譲渡を受ける経済組織

e) 土地使用目的の変更を国家管轄機関から承認される経済組織

f) 家庭、個人、他の経済組織から出資金として土地使用権を受け取る経済組織

7.2. 地下施設建設のために土地を賃貸される経済組織

7.3. 以下のような海外在住ベトナム人

a) 国から割り当てられた土地の土地使用料の徴収を伴い、賃貸期間全体に一回土地賃貸料を徴収する土地を賃借する、ベトナムに投資する海外在住ベトナム人

b) 工業団地、産業クラスター、製造地、ハイテク区、経済区での土地使用権を取得する海外在住ベトナム人

c) 工業団地、産業クラスター、製造地、ハイテク区、経済区での土地を賃借・転貸する海外在住ベトナム人

d) 地下施設の建設に投資し、賃貸期間全体に一回土地賃貸料を徴収する土地を賃借する海外在住ベトナム人

7.4. 以下のような外資系企業

a) プロジェクトのために国から割り当てられた土地の土地使用料の徴収する土地または賃貸期間全体に一回土地賃貸料を徴収する土地を賃借する外資系企業

b) 海外投資家がベトナム企業の株式を購入するのを通じ、設立された土地を使用する外資系企業

c) 工業団地、産業クラスター、製造区、ハイテク区、経済区での土地を賃借・転貸する外資系企業

d) 地下施設の建設に投資し、賃貸期間全体に一回土地賃貸料を徴収する土地を賃借する外資系企業

7.5. 合弁企業(ジョイント・ベンチャー)

8. 賃貸期間はどのくらい?

期間は、投資プロジェクトの範囲に基づき、管轄機関の決定で規定される。 最長期間は50年である。特別な場合は、70年に達する可能性がある。延長は国の決定によるものとする。

賃貸期間は、国家管轄機関が賃貸の決定を発行する日から起算される。

9. 外資系企業の借地に対する権利と義務は?

工業団地、産業クラスター、製造地、ハイテク区、経済区での土地を賃借・転貸する外資系企業は、以下の権利と義務を有する。 

転貸借または転貸の全期間の全額を一括支払う場合

  • 法律で定められた一般的な権利と義務を有すること
  • 所有する土地使用権及び土地付属資産を譲渡すること
  • 国から割り当てられた土地の土地使用料の徴収する土地の場合には、その所有する土地使用権及び土地付属資産を賃借する。そして、賃貸期間全体に一回土地賃貸料を徴収する土地を賃借する場合には、その所有する土地使用権及び土地付属資産を転貸すること
  • 法律に従って、地域社会の公共利益のための施設建設に向けて、国及び地域社会に土地使用権を寄贈し、土地付属の感謝住宅を寄贈すること
  • ベトナムで営業許可を得た信用機関に所有する土地使用権及び土地付属資産を抵当権設定すること
  • 法律に従い、組織、個人、海外在住ベトナム人または外資系企業との生産・事業への協力のために、土地使用権及び土地付属資産で資本を拠出すること

年間賃借料を支払う場合

  • 法律で定められた一般的な権利と義務を有すること
  • ベトナムで営業許可を得た信用機関に借地付属資産を抵当権設定すること
  • 法律に従って、借地付属資産を売却すること。本資産の購入者は、定められた土地使用目的に従って引き続き国に土地を賃貸できること
  • 借地付属資産で資本を拠出すること。本資産の受領者は、定められた土地使用目的に従い引き続き国に土地を賃貸できること
  • 工業団地、産業クラスター、製造地、ハイテク区、経済区におけるインフラの建設及び商業運営への投資を許可された場合、インフラが完全に建設された土地の年間賃借料を支払って土地使用権を転貸すること
その他

地価

10. 地価の範囲はどのように決まるか?

政府は5年間ごとに1度、土地の種類と地域ごとに地価範囲を決定するものとする。地価範囲の実施中、市場価格が地価範囲に定められた最高価格を20%以上上回ったり、最低価格を20%以上下回ったりした場合、政府は地価範囲を適宜調整するものとする。

11. 地価表はどのように発行されるか?

地価範囲と地価評価原則、地価評価方法に基づき地価表は5年ごとに1度省人民委員会により公布され、毎年11日に発表される。

以下を試算するために使用される地価表

(i) 地使用料

(ii) 土地使用税

(iii) 土地の管理及び使用における料金及び手数料

(iv) 土地の分野での行政違反に対する罰金

(v) 土地の管理及び使用において発生した損害に対する国への賠償

(vi) 土地使用権の判定

12. 具体的な地価はどのように決まるか?

土地管理に関する省機関は、具体的な地価の決定において省人民委員会を支援するものとする。その後、省人民委員会は、以下の計算に使用する具体的な地価を決定する。

(i) 土地使用料

(ii) 賃貸料

(iii) 土地使用権の判定

(iv) 国が土地を回収する際の賠償

土地契約書の

公証や認証が必要な契約は?

土地使用権及び土地付属資産土地使用権の譲渡、寄贈、抵当権設定、出資に関する契約は、公証または認証を受けなければならない。当事者の一方または両方が不動産業団体である契約(土地使用権及び土地付属資産土地使用権の賃貸借または転貸借に関する契約、農地使用権の交換に関する契約、土地使用権及び土地付属資産土地使用権の譲渡に関する契約)は公証を必要とせず、当事者の申出により公証することができる。

海外の個人・組織が所有するアパート

14. ベトナムで住宅を所有できるのは、どのような人か?

14.1. ベトナムでプロジェクトに従い、住宅建設に投資する海外の個人・組織

14.2. 海外の組織には以下のものがある。

a) ベトナムにある外資系企業

b) ベトナムに設立した外資系

c) ベトナムにある外資系資本による基金、外資系銀行支店

14.3. ベトナムへの入国許可を得た海外の個人

15.海外の個人・組織がベトナムで住宅を所有できる基準は?

海外の個人・組織は、以下の場合、ベトナムで住宅を所有する可能性がある。

15.1. ベトナム国内のプロジェクトに従い、住宅建設に投資すること

15.2. 政府が規定された国防・安全保障に関する管理分野を除き、住宅建設プロジェクトにおけるアパート・一戸建て等の商業用住宅の購入・賃貸・譲渡・相続(以下「住宅取引」という)を行うこと。この場合は:

a) 海外の個人は、住宅売買取引で合意したことに基づき、証明書を取得する日から50年以内に住宅所有の資格を得るが、政府の規定に従って延長することも可能である。海外の個人がベトナム人または海外在住ベトナム人と結婚する場合、住宅の長期的な保有が可能である。

b) 海外の組織は、住宅売買取引で合意したことに基づき、住宅所有の資格を得るが、投資登録証明書に記載される期間(延長期間を含む)を超えないものとする。住宅所有の期間は、海外の組織が証明書を取得する日から決定されるものとする。

16. ベトナムで住宅を所有する条件は?

16.1. 14.1項で海外の個人・組織に適用される条件は、(i)投資登録証明書を有すること(ii)承認されたプロジェクトに従う住宅が建設されること。

16.2. 14.2項で海外の組織に適用される条件は、ベトナムの管轄当局により発行されるベトナムにおける投資登録証明書または事業運営許可書を有することである。

14.3項で海外の個人に適用される条件は、(i) ベトナムへの入国許可を得ること、及び (ii) その人が外交官でなく、外交特権を享受すること。

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