ニュースレター 2019年7月版

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外国との借入契約に係る費用に関するガイダンス

2019年2月13日、税務総局はオフィシャルレター(No. 474/TCT-HTQT)を発行し、外国との借入契約に係る費用の納税義務に関するガイダンスを発表した。

ベトナム法人が韓国本土と借入契約を締結した場合に、両国の租税条約に基づき、借入に係る費用は以下のとおり処理するよう定められている。

  • シンジケートローン契約において、会社の支払ったアレンジメントフィー及び参加手数料は貸手への金利を構成する一部として、借入契約に直接起因する費用とみなされるため、利息収益として計上されるべきとされている。
  • 第三者である銀行に支払われたエージェントフィーは、直接的な関連費用とはみなされず、通常の営業収益として計上される。

 

貸倒引当金計上に関するガイダンス

2019年3月13日、税務総局はオフィシャルレター(no. 811/TCT-DCN)を発行し、貸倒引当金の計上に関するガイダンスを発表した。

経済主体(企業、個人事業主等)が倒産、清算、債務者の失踪、又は起訴等の法的措置が取られた際に、支払がおこなわれていない債権は貸倒れたとみなされる。

法的に確実な効力を持たない法的措置による、貸倒れの判断は、引当金計上の十分な証拠とはみなさないこととしている。

 

輸出品の製造工程で発生した廃棄物処分所得に係る税金について

2019年5月22日に財務省はオフィシャルレター(No. 5845/BTC-TCHQ)にて、輸出製品の製造工程で発生した廃棄物処分所得に係る税金の取扱いについて、下記のとおり説明している。

  1. 2016年9月1日(輸出入税法No. 107/2016/QH13の施工日)から2018年6月5日(政令No. 39/2018/TT-BTC施工日)の期間において、

輸出品の製造工程で発生したベトナムで消費・販売される廃棄物に関して、管轄当局にVAT申告及び税還付の届出をしている場合は、税関への申告が免除される。

輸入した原材料や資材を使用して輸出品を製造した場合、関税法に基づき、企業は税関に対して廃棄物に関する申告を行い、売却所得に係る納税申告書を提出する必要がある。

従って、管轄当局に対してVATの申告納税をまだ行っていない企業に関しては、税関に対して納税申告書の提出が求められる(Clause 49, Article 1, Circular No. 39/2018/TT-BTC)。

  1. 一方で、2018年6月5日(政令No. 39/2018/TT-BTC施行日)以降は、2018年4月20日財務省より発行されたClause 49, Article 1, Circular No. 39/2018/TT-BTCが適用される。

輸出品の製造工程で発生した、国内で販売・消費する廃棄物に関しては、輸入関税は免除されるものの、VAT及び環境保護税の申告を税関に対しても行わなければならない。申告は、同政令内で指定された電子フォームを使用するか、別途紙面で行う必要がある(その場合、No. 06/BKKTT/TXNK in Appendix VI to the Circular No. 39/2018/TT-BTC参照のこと)。

なお、廃棄物に関しては環境保護法に定められたとおり適切に処理すること、及び税関調査のために記録の保管が義務化されていることにも留意すること。

 

電子インボイスの使用許可に関して

2019年3月13日に、税務総局はオフィシャルレター(No. 812/TCT-DNL)を発行し、政令No. 32/2011/TT-BTCに記載された電子インボイスの使用に関するガイダンスを公表した。

終日営業活動を行う企業において、販売者が発行した署名済み電子インボイスが、購入者によって日を跨いて署名・返信されたため、許可日と発行日が異なる電子インボイスがある場合、当該電子インボイスの発行日は企業の税金の申告・納付日を参照とする。

 

ベトナム駐在員に関する租税条約について

2019年2月28日、税務総局はオフィシャルレター(No. 855/TCT-HTQT)において、駐在員(代表者)の税務に対して、適用される租税条約について説明している。

駐在員が所在国において所得を得ている場合に、契約を持つもう他国における個人所得税免除は、以下の条件を満たす場合に適用可能となる。

a. 納税者の他国における滞在日数が、会計年度において計183日かそれ未満である。

>> 例えば、もし駐在員のベトナム滞在期間が、納税期間12ヵ月間で183日未満の場合、この条件に該当し日本での課税対象のみとなる。

b. 駐在員へ給与を支払う代表者若しくは従業員が、他国の居住者要件に該当しない。

>> 駐在員が、親会社から命じられる形でベトナムで就業している場合、直接親会社と雇用契約を結んでいるとしても、ベトナム側が当該従業員個人に係るリスク・責任や、就業環境の責任を負い、製品・役務から生じる便益を享受していると考えられる。従って、本ケースでは、ベトナム側が実質的な雇用者と看做される。

c. 駐在員の所得が、他国の恒久的施設から生じていない。

>> 他国の恒久的施設から生じるとは、例えば、

ベトナム側の事業活動が、補助的ではなく親会社の事業活動収益獲得に貢献している場合、親会社が恒久的施設の一部をベトナムに移転しているのみと考えられる。前述の状態でない場合に、上記(c)の条件が該当する。

もし上記3点の条件に該当しない場合は、駐在員はベトナム国で個人所得税納税義務を負うと看做される。